母が亡くなったことについてですが、病院に対しては非常に疑問が残りました。
病院や医師への不満を述べても空しいだけで、あまり書くべきでは無いかもしれませんが、亡くなった母も悔しい思いを抱いていると思うので書かせてもらいます。

まず、今回私の母が亡くなるまでの診察等の流れは以下のとおりです。

09/27 腹部(肝臓のあたり)に痛みを訴え、診察。3週後の10/18に血液検査とエコーを受けることに。痛み止めが処方される。
10/18 血液検査とエコーの結果、再発が疑われるということでさらに3週後の11/8にCT検査を受けることに。
10/27 痛みに耐えられなくなり、急遽診察を受ける。更に強い痛み止めを処方される。
11/02 自宅で倒れる。原因は肝がんの脳への転移による右半身麻痺。救急車で搬送も、かかりつけの病院に医師がおらず別の病院へ。
11/08 脳の方の治療を終え、かかりつけの病院へ転院させられる。
11/10 CT検査により肺や副腎、大血管への転移を確認。余命1ヶ月との告知。
11/22 死去

最初に痛みを訴えてから検査まで3週間、精密検査(CT)まで更に3週間、合計1ヶ月半も放置しようとしていたのがどうしても理解できない。
もちろんその検査結果を踏まえてということになるので治療は更にその後になってしまう。
肝臓は本来物言わぬ臓器と言われ、悪くてもあまり痛みを伴わない。
痛みを感じるということはひょっとしてかなり悪い状態なんじゃないかと素人でも疑うところ。
何故もっと迅速に検査・治療を行ってくれなかったのか。
もちろんその時点で治療しても手遅れだったかもしれないが、少しでも長く生きれただろうし、何より右半身麻痺は避けられたかもしれない。
診察を受けた母の話は聞いていたので、ボクにも責任はある。
医師が検査は3週後と言うのだから大した事は無いのだろうと、不覚にもボクは思ってしまった。
そこでもっと医師の対応を疑っていればと思うと悔やんでも悔やみきれない。

その医師だけの問題では無く、病院の体制や検査担当の医師不足など、問題はもっと根深いのだろうけど、何ともやりきれない。
母自身も悔しいだろうけど、母の性格的に残されたボク達が病院側ともめる事は望まないだろうから直接文句は言わない。
でも、この医師や病院関係者には言ってやりたかった言葉がある。
「自分の妻や親や子どもが同じ状況でも、同じように検査は3週後ですか?」

11月22日、母が亡くなりました。
73歳でした。
29歳でC型肝炎を発症し、その後肝硬変へと悪化、更に7年前に肝がんを発症してからは入退院を繰り返していました。
とはいえ、その7年間も入院中は別として日常生活は問題無く過ごせるレベルで、今年の夏も故郷の能登半島に帰省したりと、どちらかというと元気だったので今回はあまりにも急な病状の進行でした。

母は38年前、肝炎を患う中、医師の反対を押し切って私を産んでくれたそうです。
肝機能が低下していると出血しやすくなるので、母体の安全が確保できないという事で医師は反対したのでしょうが、母の強い意志と覚悟のおかげでボクはこの世に生を受けました。

ボクが子どもの時も、母は肝炎のせいで何日も寝込んだり救急車で運ばれたりということがあったので、幼心にも「母は病気で大変なんだ」ということは理解していました。
それなのにボクは母に心配をかけるような事ばかりして、叱られたり、一緒に謝ってもらったり、泣かせてしまったりもしました。
母は本当に本当に迷惑ばかりかけたボクと本気で向き合い、一生懸命育ててくれました。
大人になり、同じように子を持つ親になって、母の偉大さを身に沁みて感じます。
全然親孝行ができなかった事に、本当に悔いが残ります。
44年という人生の半分以上の期間、病と闘った母。
せめて、天国では安らかに暮らせるよう、祈るばかりです。